2010.09.27 国リハセンター、パペロを活用して認知症者の自立行動を促す情報支援システムを開発(3)
前回は情報支援の内容(順序)についてご紹介しましたが、今回はそれを補足したいと思います。
情報支援の順序は下記のようになっていました:
- 注意喚起(名前を呼ぶ)
- 先行連鎖(次に伝えたい内容が予想されるような前置き)
- 情報伝達(ここで一番伝えたいことを言う)
- 対話終了(声がけが終わることを伝える)
しかしながら実際には、「1.注意喚起」と「2.先行連鎖」の間、そして、「3.情報伝達」と「4.対話終了」の間の二か所で、音声認識を行い、対象高齢者の音声を認識するようになっています。
ですので、情報支援(声がけ)の例は、下記のようになります:
- 〇〇さん、ちょっと良いですか? (注意喚起)
【音声認識】(一定時間の間、音声を取得して認識する) - 今日は、デイサービスの日ですね。(先行連鎖)
- そろそろ、デイサービスのお迎えが来るので、トイレに行っておいてはどうですか?(情報伝達)
【音声認識】(一定時間の間、音声を取得して認識する) - よろしくお願いします
さらに、この【音声認識】では、一定時間の間、人の音声を検知できない場合には、一つ前の声がけを再度実行するようになっています。
ただし、この一つ前の声がけの再実行には上限回数が設けられていて、その上限回数を超えて再実行することはありません。
つまり、対象高齢者が返事をしない場合には、設定された回数だけ声がけを繰り返したのち、次のステップに進むようになっています。
いかがでしょうか?
かなりシンプルな方式ではありますが、実際どのくらい有効に働くか、とても興味があります。